村上隆と日本の美術館

日本の芸術家 村上隆

村上隆

村上隆は日本を代表する現代美術家

世界のアート界のトップレベルで活躍できている唯一の日本人の芸術家とも言えます。ご自分の著書では世界のアーティストのトップ20位以内にランキングされていると言っています。ある年の存命アーティストの売上額で6位だったこともあります。

村上隆作品の特徴は、いわゆるオタクです。オタクを世界基準のアートに持ち込んだことが世界から評価されたポイントです。それまではオタクもアートになりえると認識されていなかったので、世界のアート界からすると驚きだったようです。日本にはオタクという文化があることは知ってはいたけど、これほどまで表現が豊かで奥が深くて高度なものだったのかと世界から評価されたのです。

なぜたくさんいる日本人の現代美術家のなかで村上隆だけが世界のトップにいられるのかは、表現力や技術はもちろんですが、現在のアートの本場である主にアメリカのアートシーンに理解されたからで、それというのはアメリカ主導のアートシーンのルールを解読して適切な戦略と手段で理解を得られたからです。純粋な表現力や技術は、もしかしたら日本や中国などのアジア圏のほうが上かもしれませんが、そうであるから世界のアートシーンのトップにいられるというわけでは無いと、このことを村上隆は解読しました。

では世界のアートシーンの評価はどうすれば得られるのか、なぜこれまでの日本人美術家は葛飾北斎などのごくごく限られた一部しか知られていないのか、そして村上隆だけは今現在のような突出した評価を得られているのかですが、著書によるとシンプルに世界のアートシーンのルールに乗って活動しているからだと述べています。世界のアートシーンでは、自分が表現したいことを表現すれば評価されるようなそのような基準では無いと、それでは評価されないそうです。芸術作品を買う人は一体どのような人達なのかということが、その理由です。芸術作品を買う人達とは世界のお金持ちで、ステイタスや名声を誇るためにアートにお金を使うので、そういったお金持ちが欲しがるようなアートを製作しなければ世界的な評価は得られないのだそうです。ごくごく真っ当でシンプルなことです。需要がないのに供給しても意味が無い、というわけです。特にアメリカやヨーロッパの国々は文化や経済や政治などありとあらゆることを牛耳っていて、世界の基準そのものを作っています。世界はその基準を中心にまわっています。それはアート界でも同じようです。

村上隆は自分のことを天才では無いと謙遜していますが、紛れもなく天才の一人です。天才の定義にもよりますが、過去誰もなし得なかったことをなし得た人を天才だとするのなら、偽りなく天才です。これほどまでも存命の日本人アーティストが評価されたことは過去一度も誰一人もいなかったからです。

そんな村上隆はここ日本のアート界からはあまり評価されていません。今は多少は改善されてきていますが、それでも実力や実績相応の評価からは程遠いのが現状です。日本人の現代美術家で世界で活動しようとするのなら、誰しもが村上隆の後に続くことになります。後に続くアーティストは最大のリスペクトと感謝をすべき人物です。

代表的な作品

  • 村上隆
  • 東京藝術大学美術学部日本画科卒業・代表作はMiss Ko2(KoKo)、五百羅漢図・1962年生まれー存命

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